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ものづくり現場レポート

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松山畳店

“畳と育ち、生きていく

『和』の象徴とも言える、畳。松山畳店は畳の製造、修繕を行う企業です。畳が発する香りには、鎮静効果があると言われ、気持ちを和らげます。時代と共に、私たちのライフスタイルは変わっていきますが、『畳の良さ』は、今も昔もずっと変わりません。創業89年を迎える松山畳店で、畳職人として修行の日々を送る職人たちをご紹介します。

松山畳店
羽曳野市高鷲4-3-5
従業員数 4名
URL: http://www.matsuyama-tatamiten.com/

新商品企画・開発 小谷 奈緒子(こたに なおこ)さん(28歳)

時代の流れと畳づくり

松山畳店 畳職人 山﨑 敏郎(やまざき としろう)さん(30歳)

松山畳店で畳の製造・修繕・営業を行う、入社7年目の畳職人、山﨑 敏郎さん。『畳づくり』の想いを聞きました。

和の心をつくる技

清々しく。何処か懐かしく。心を和ませる香り。「この香りが昔から好きなんですよね」。そう話すのは入社7年目の若手畳職人、山﨑さん。機械が鳴らす規則正しい音と共に、手際良く、畳の製造を行っていきます。

畳の製造は、まず熊本から取り寄せた表畳(おもてだたみ)(イグサを編み込んだゴザ)の裁断から始まります。裁断後、表畳の端部分をノリで固め、次に、ワラでできた畳床(たたみどこ)を『框縫い機(かまちぬいき)』にセット。畳床と表畳を縫い付けていきます。最後に縁(ふち)を縫い付ければ完成です。1枚に掛ける作業時間は20分ほど。1日に約40枚の畳の製造・修繕を行っています。

ゼロから商品をつくる

87年前に山﨑さんの曾祖父(そうそふ)が創業した松山畳店。山﨑さんも物心がつく前から作業場で遊んで育ったそうです。大学では経営学を学んでいましたが、父親が体調を崩したのを機に23歳で入社。

「ずっと見てきた仕事だったので、悩むことはありませんでした。入社後、しばらくは外回りの仕事で、40キロある畳を担いであちこち飛び回りましたね。3年目から職人として、畳づくりを始めるようになって。初めは失敗ばかりでしたよ。寸法を間違えて、納入先で合わへん! ということもしょっちゅうでした」

7年目となった現在では製造も外回りも行う、松山畳店の中核を担う立場です。

つながりを感じながら

必要とされる畳を

夏は涼しさを、冬は暖かさを保ち、湿気を吸い取る、畳。四季が豊かな日本だからこそ発展してきたオリジナル文化であり、その歴史は奈良時代までさかのぼり、1300年以上。松山畳店では、昔ながらの『手縫い』での畳製造も行っていますが、現在の主流は『機械製造』です。

「手縫いだと1日に5枚が限界ですね。時間が掛かると、当然、価格も上がります。『お客さんに喜んでもらう』ことを考えると機械製造の方が今の時代にマッチしていますね。畳は日本の伝統文化ですが、変えていく部分は柔軟に変えていっています」

時代に合わせて、変わるものもあれば変わらないものも。

「ライフスタイルの変化で畳の需要はどんどん減っています。今年は忙しかった。でも来年は? 再来年は? そのうち、畳が日本からなくなっていくかもしれない。畳を知らない子どもも増えていく。正直、不安は常にあります。その反面、最近では六角形などの変形畳や、縁がないオシャレ畳の製造なども増えてきました。時代の流れに合わせながら、歩み寄っていくことが大切なのだと思います。形や製造方法が変わっても、畳の良さは変わりません。畳が必要とされる限り、お客さんの『ありがとう』がある限り、畳をつくり続けていきます」